不動産

独立開業をする際の事業計画について①

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たまには不動産屋らしいことを書いてみようかと思います。

 

私は不動産屋ですから、売買仲介も賃貸仲介も管理もやっているわけですが、割と得意にしている分野として、主に飲食店向けの独立開業支援があります。

物件のご紹介はもちろん、融資を受ける際の事業計画の立案などについてもご相談賜っております。

今回はその中で事業計画について、書き散らしてみようかと思います。

 

私のところに来られる方は、大体自分が何をしたい、どんなお店をしたい、ということまでは決まっていることがほとんどです。

それを決めたからこそ、実際の店舗を探すために来られているわけですしね。

それで不動産屋としてはまずはご希望を詳しく伺いまして、それに合う条件の物件のご紹介を頑張り、これにしようと思う物件が出たら、それに合わせての賃貸の申込と同時に事業計画を立てて、融資の申込もする、という流れで動いていきます。

 

この、最初のトークというのが実際大事でして、まずはある程度こちらがご要望を把握しないことには物事が始まりません。

でも、何をやりたいかは決まっていても、具体的にどうするかはまだ決まっていない方、実はけっこういらっしゃいます。

 

飲食店に限った話ではありませんが、独立開業するにあたって必要な知識や経験、資金を皆さんがもっているわけではないんですよね。

それを具体化するために、事業計画を立てるわけですから、私のところに来られた段階では、まだ物件が決まっていないために具体化されていないことがほとんどです。

 

実際にお店を開業したいと思ったら、お店をするために必要な人、場所、お金が必要になりますが、自分自身がお店に入るケースの場合、場所を決めてお金の算段をつければよいということになります。

 

この、お金の算段をつけるために事業計画が必要なんですが、基本的なところで、最初からすべて自己資金で賄える方は良いとして、ほとんどの方は自己資金に加えて融資を受けての開業がほとんど。

ところが、自己資金がいくらあればよいのか、そもそも開業するに辺りいくらかかるのか、まったくわからないという方も意外といます。

 

極端な例を挙げると、年に数人はお店を始めたいから物件を探しに来ましたと言いながら、自己資金が一円も無い、あるいはその自己資金が100万円もないという方がいらっしゃいます。

されたいことの内容にも寄りますが、自己資金がまったくないのは基本的には難しいですね。

最初に自己資金はおいくらご用意されていますか?という質問をさせて頂くのはこのためです。

場合によってはまずは自己資金を貯めてからですね、という話になることも多いからです。

多くの方が使用されるであろう、日本政策金融公庫、旧国民生活金融公庫(いわゆる国金)の基準で言うと、事業計画全体の10%の自己資金が最低限必要となっています。

自己資金ゼロは論外としても、10万円の自己資金しかなかったら、総額100万円の事業計画として90万円の融資しか受けられないということになります。

それも、最低限の話であって、通常の審査で言うと、大体自己資金の2倍程度が目安になることが多いですね。

つまり、100万円の自己資金があったら総額で300万円の事業計画を組み立てて、200万円の融資を受けられる、ということになります。

これでもやる内容によっては厳しいですが、自己資金ゼロに比べたらかなり現実に近づいた話になっていることがわかりますね。

 

では、実際いくらくらいあればよいのでしょう。

ここではモデルケースとして、居酒屋をしたい方を例に挙げます。

お一人で居酒屋をされる場合、ご自分が料理を担当、ホールスタッフを一人パートで雇用という形であれば、大体物件の坪数として10坪前後、大きくても15坪が限界だと思われます。

物件の形にもよりますが、それ以上となると回りません。

大体の感覚として、10坪というのは畳で言うと20帖、33㎡くらいです。

それで取れる席数というのは、出される料理にもよりますけど、厨房にある程度面積を割きますから、カウンター6~8席にテーブル席が4~8席、バランスにもよりますけど、合計で10~12席程度。

 

 

ちょっと例で出している間取りがわかりづらいですが、左下入口を入ってカウンター、右下側に小上がりで4席、その横にあるのは二階に上がる階段の壁です。

これで大体10坪くらい、もちろん例ですし、形によって、出す料理によって厨房の広さが変わるので席数も変わります。

あくまでも例ですので、そこはご了承下さい。

 

福岡市を例に挙げますが、これくらいの店舗で、居抜物件だった場合、場所によって取得費はものすごく変わります。

人が欲しい場所なら家賃も居抜代金も跳ね上がるからです。

とりあえず、あくまでも例なので、安い方で。

 

地下鉄や西鉄などの駅に徒歩10分くらいの近さ、でも天神や博多からは離れた場所にこれくらいの物件があったとします。

坪数10坪、家賃10万円(わかりやすく消費税込)、敷金8ヵ月、居抜代金150万円。

これで取得費がいくらかかるかというと、まずは賃貸契約として前家賃10万円、敷金80万円、家賃保証契約(ここでは保証料が家賃の80%で計算します)の保証料で8万円、賃貸仲介手数料が10万円、の合計で108万円。

これに加えて店舗総合保険(火災保険)も必要ですが、大体掛け捨てで1年間に15,000円~程度(什器備品の保証額によって変動します)。

家主さんとの賃貸借契約に関しては、大体110万円くらいです。

 

次に、今現在営業している方から居抜で物件の造作と冷蔵庫などの什器備品を購入する、居抜売買契約。

こちらは居抜代金と、賃貸借契約とは別に売買契約を締結しますので、それに伴う居抜売買の手数料が必要となります。

居抜売買に関しては不動産と違い、報酬規程がありませんので、各社それぞれ独自に規定を定めているところがほとんどです。

居抜金額に関わらず一律いくらにされていたり、居抜代金の10%と定めていたりとマチマチですね。

ちなみに弊社では居抜代金500万円以下の場合は一律25万円(税別)を成約時に頂いております。

それでこの例で計算すると、居抜代金150万円と居抜仲介手数料27万円の合計177万円が居抜売買契約に必要なお金となります。

 

賃貸借契約と居
抜売買契約の合計で287万円ということですね。

これで物件は取得出来ますが、それから更に看板の架け替えや内装の手入れ、器や調理器具の買い足しや制服などの小物、食材や酒類の仕入れに当面の生活費も入れた運転資金が必要です。

 

どこまで改装されるかにもよりますけど、ある程度程度が良い居抜であったとしても、多少の改装が必要ですからここでは改装費に100万円、什器備品に50万円、仕入れその他に13万円くらいかかると想定します。

すると、163万円に287万円を足して、合計で450万円です。

運転資金として最低でも100万円くらいは欲しいですから、それを加えると550万円。

 

広告宣伝費やその他細かいお金も本来必要ですが、ざっくり言ってもそれくらいのお金が必要になります。

そうすると、自己資金としてはせめて200万円くらい用意して、600万円の事業計画を立て、400万円の融資を受ける必要がある、ということです。

 

初回に長々と書いてしまいましたが、物件の状況や場所によって取得費も変わりますので、最初にお客様から詳しくご要望と予算を伺う必要があること。

それはご要望を実現させるためには、こういう物件を探さないといけない、ということをお互いに把握するためです。

お問合せ頂きました際には、色々なお話を伺うことになるかもしれませんが、そういう意味で必要なことですので、ご協力をお願いいたします。

 

次回は具体的な事業計画の立て方について、です。

・・・需要が無さそうだったら初回のみで終わるかもしれない企画ですね(´・ω・`)

文章力があまりないのと、こういうことを説明するのは初めてなので、わかりにくいかもしれませんが、ご興味ある方がいらっしゃいましたら、頑張って書いてみようと思いますので、よろしくお願いします。

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